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2011年10月11日火曜日

あんたの指も十本もある。そのうち一本くらいなくなってもたいしたことじゃないんだろう

もう本当に昔の話。

母が昔話&笑い話で教えてくれた。

近所にすごく手癖の悪いオバサンがいた。
昔のしかも田舎だからそれが当たり前だったんだけど、鍵のかかっていない勝手口から勝手に入ってきて調味料とか残り物のおかずとか平気で持って行く。
冬場の灯油ドロは当たり前、庭先に干してた椎茸や切り干し大根も持っていかれた。
近所の人たちも警戒してたんだけど、口が上手く愛想がいいんでいつの間にか誤魔化される。
子供心にも変なセコいオバサンだと思って、好きになれなかった


そのオバサンには息子がいてこれが私と同い年。

性別は違うけど小学校低学年の頃近所の子はみんな一緒に遊んでたから、一応遊びの面子に入っていた。
そして英才教育もばっちり、手癖が悪く横柄、人の持ち物は自分の物のじゃいあにずむ発揮。
こまごまとしたおもちゃ(ウルトラマンのビニール人形、仮面ライダーのカード)などを友達からくすねていた。
(年がばれるなぁ・・・)

当時流行り出したドラえもんグッズに夢中になっていた私と妹は、少ないお小遣いをためてドラえもんのシールセットを買っていた。
大きなシートにドラえもんやのび太、ドラミちゃんなんかが型抜きされたシールになってて、背景が透明で小学生の子どもにはちょっとした贅沢w品。嬉しくてカンペンやらノートに貼っていた。
それがよくなかったんだと思う。数少ないシート、その息子にパクられた。
子どもだから隠すなんて知恵は働かず、その息子も堂々とシールを貼ってたんであっけなく悪行がバレた。

でここからが母に聞いた話。
流石に怒った母がオバサンを呼びつけ(というかいつものように勝手口から入ってきたところを掴まえた)、文句を言ったところ、ファビョるどころか開き直った。

「子どものしたことだし」
「こんなに沢山あるんだから、ケチケチすんな」

って捲くし立てたらしい。
そしたら黙ってきいていた祖父(母の父)が静かに口を開いたそうだ。

「沢山あるからなくなってもいいんだな。そしたら」

そういってオバサンの右腕をがっしりと掴んだ。




「あんたの指も十本もある。そのうち一本くらいなくなってもたいしたことじゃないんだろう。
〇〇(母の名前)、納屋から鉈もってこい」

と言い放ったそうだ。
顔面蒼白になって押し黙ったオバサンに祖父、更なる追い討ち。

「あんたが普段から手癖が悪いのはみんな知ってる。
だが周りが大目に見ていることに胡坐をかいて、
子どもにまで同じ真似をさせるのを見過ごすことはできない。
もういい年したあんたは何を言っても性根は変わらんだろう。だったらその身に叩き込むしかない。
ついでにあんたの指を見続ければ、息子は自分がしたことがどういう結果を招いたか、
一生忘れることはないだろう。
それがいい戒めにもなる」





みたいな事を淡々と話したそうだ。
生まれてからずっと農業をやってた祖父は体格もよく腕力も人並み以上、口で言い負かせるタイプの人間ではなかった。
オバサンは慌てて謝罪し、後で息子を連れて謝りに来た。
勝手に使ったシートはちゃんと弁償してもらった。
そしてそれ以降、オバサンの傍若無人は少しだけ治まったらしい。

もちろん祖父の指云々はハッタリ。
日頃から盗癖のあるオバサンに皆頭を悩ませており、祖父もその噂は知っていた。
ただ、盗んでいくものが他愛無いものだったのと、田舎特有の大らかさ?で目を瞑っていたそうだ。
それなのに私達姉妹がお小遣いを出し合って買ったものを盗んだ子を怒りもせず、開き直ったことに堪忍袋の緒が切れたらしい。
その夜晩酌しながら

「あれでちっとは懲りただろう」

と笑っていたそうだ。

じーちゃん、孫煩悩で怒ったとこなんか見たこともなく、ひ孫抱っこして縁側で居眠りしてるような好々爺だった。
そんな一面があったんだなぁと驚くと同時に懐かしくなった。
いまでもドラえもんを見るとじーちゃんを思い出すよ。

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